今年もあと僅か。

このブログも正直更新頻度が少なくなってしまった。

10年代も終わり愈々オリンピックイヤーとなる。

元々2020年のオリンピックによって潰されるのではと懸念されたものが、ギリギリのところで抵抗を続け何とかして堪えたことで取り敢えずは生き残ることが出来たのである。

やはり、投票行動は大きい。

東京都青少年健全育成条例の改正もまたオリンピックを目指したおためごかしだったのだが、抵抗を続けることで尊厳を守られた形になったと思う。
正直、この条例の改正案そのまま通ることが文字通り「やばかった」のである。

憲法で定められた表現の自由どころか憲法の形、立憲主義や血を流して築き上げた近代国家の約束事そのものを投げ捨ててしまいかねない条例をそのまんま丸呑みする形で通す訳にはいかないという危機感を抱いた。

この国を、カルト宗教の思い通りにさせてたまるかと。

危機感を抱いた人達は情報を蒐集して、議員達と連繫を取りながら表現の自由を何とかして守ろうとしたのである。

結局通ってしまったが附帯決議で権力の蹂躙を禦ぐことが約束された。

その後、山田太郎が参議院選挙に立候補したものの29万票を得ても落選してしまったがその票の大きさが都知事候補や所謂表現規制派の現職国会議員が黙りこくようになってしまった。

その3年後の参議院選挙では54万票を獲得して当選したことで遂に表現規制を標榜する政治家達は表向きいなくなってしまったのである。
それどころか規制派が悉く落選する様はこの世の中の流れが完全に変わったことを如実に表している。

宮﨑勤がただの人間だったことを知らせる再現ドラマが放送されたり、オタクが実質勝利するような映画ばかり作られるようになったりと、ここ20〜30年前と違って目紛しい変化を来すようになった。

単純に、オタク世帯のボリュームゾーンが大きくなったことなのだが、世の中の中心になりつつあったことも影響している。

国家権力による管理は今のところ防げているのだが、時代の流れについていけない人々が表現規制を叫ぶようになってしまった。
このことに関してはまた別の機会とするが、取り敢えずは一安心。

さて、今回の本題はちょくちょく取り上げているAV女優のかさいあみのことについてである。

かさいあみは本来なら今年で引退をするつもりだったのだが、ある日妊娠が発覚したことで延期となってしまった。
子供は堕さずに産むことを決めたという。

今思えば、何故だろうと思った。
AVの撮影中に妊娠してしまったという例は恐らくこの今まであったかも知れない。
妊娠は避妊を徹底的に努めてもするという。
かさいあみはその少ない確率でも当たってしまった。

こういう例はあったかも知れないが誰にも気付かれずに堕していたりしていたのだろう。
際物AVの中には妊婦でもAVを撮影して作品にするのもあるが、ああ言った場合も産むことを決意したりするのだろうか。

かさいあみは四日間の難産を極め、普通分娩から帝王切開に切り替えた。
お腹に傷が残ることを懸念していたという。
もしもAVに復帰した時に傷が目立ってしまうことへの懸念のようである。

そのお腹の傷があった人が出ている作品は実は存在している。
そうした人達が出ているのを知ると「ああ苦労したのだな」と思う。

AV女優が引退して結婚して子供を産むケースは存在する。
とは言うものの、AV女優自体が特殊な職業故に「普通の生活」を送ることは難しいという。
身バレしたり、別の職業に就いたりする事が中々難しいようであってまた復帰することもあると言う。

それで日本にいられることもなく外国で暮らすこともあるという。

AV女優がやくざよりも人口が多くてデビューしても精々2、3年くらいの期間を経て引退することが多い。
デビューしても次から次へと出て来て押し出されて忘れ去られるだけなのだが、そうしたネックを克服するためにAV女優達が自分の作品を消して欲しいと願ったら消えるようになったシステムも作られた。

AV女優であってもここ最近は公に結婚することもあり子供も授かることも珍しくはなくなった。

そう、AVもまた環境が変わり人々の意識も変わりつつある。

ただ、かさいあみのこの発表はほぼ前例がないらしい。
引退を決意するといっても肩書きはAV女優のままである。
川奈まりこや蒼井そらや板垣あずさはAV女優を辞めてからの結婚と出産なのでこの例からは漏れる。
※蒼井そらはAV女優を辞めたとは言ってないらしい

AVって基本的に本番をしていなくて「演技」であることが建前である。
このモザイクがそれを証明させている。
モザイクだから本番をしているとは限らないので少なくとも妊娠をするような状態ではないということを証明する。

しかし、かさいあみは妊娠をした。
となるとこの建前の原則が崩れる。

もしかしたら、後から出てくるAV女優の為に警告を出しているのかも知れない。
本当はこうしたリスクもあることだということを言いたかったのではと勘繰ってしまう。
避妊を徹底しているから安全だ、モザイクだから本番はない、そう言った建前は実は存在していないのである。

ここ最近のAVを取り巻く環境も変わっている。
AVもボクシングや相撲と同じくヒエラルキーの社会である。
売れない人は10万円程度にしかならない。
買う人や観る人が余りにも少ない。
違法視聴も蔓延っているのだが、若い人が先ずAVを観ない。
ファンの集いも中高年ばかり。

※実はソープランドもそんなに売れてないので風俗も同じてある。

AVやったって食える訳でもなく寿命も短い割にはいつまでも残ってしまうメリットの少ないジャンルなのにそれでもなる人が多いから一定のストッパーをかける必要があるのではと思ったりもする。

かさいあみは10年も続いていたという。
2、3年の命しかないAV女優業なのに3倍以上伸びるのは単純に凄い。
AVやりながらフリー女優連盟作ったりと結構苦労を重ねていると思う。
AV辞めてもこの連盟は続けるらしい。

結局、AV強要という言いがかりで囲い込みが始まり、事務所に所属していないAV女優が弾かれるのではないかという懸念から発足した連盟ではあったが、今後はどうなることだろう。

考えてみればこのAV強要という話も、AV女優の自己決定権を無視した言い掛かりだったと感じる。

都条例の件で失敗したからAVに焦点を当てただけだった。
世間的に責められる素材だったから付け入れられてしまった。

結局自主規制が強くなりまたも息苦しい社会もなってしまった。

AVも観る筈もなくAV女優の日常生活を支えることもなく男社会が憎く居場所と共感を得たいただそれだけで潰そうとする人達が目立った。

AV自体が斜陽なのでこのままいけば消え失せてしまう文化となるのだろう。
それは残念でならない。